こんにちは、商品担当のＴです。
先週は夏季休業でお休みさせて頂きました。
夏になると、気持ちからもひんやりしたくなり少し怖い本を読みたくなります。
先日2021年上半期の直木賞と芥川賞の発表がありましたが
その受賞作品の中で、とても気になった本がありました
それが「テスカトリポカ」です。
角川書店　佐藤究　2021
舞台が川崎となっていると知り、これは読んでみたいと思い購入しました。
電車の中で読み始めましたら、あっという間に最初の舞台のメキシコに引き込まれて
危うく降りるはずの駅で降り損ねるところでした。
それからは家で読もうと、休み中にひんやりどころか恐怖を感じながら読みました。
しかし大変おもしろく、読みながらまた読み終えてもいろいろなことを考えてしまいました。
1990年代から始まり2020年まで、登場人物それぞれが世界を移動し
舞台はメキシコからアフリカ、東南アジア、川崎へと変わります。
題名のテスカトリポカとは、多神教であったメソアメリカ（メキシコ北部を除く中米地域）の

多くの神様のうちのひとつだそうです。
主要人物のメキシコ人が、アステカをルーツとする祖母に育てられたため
行動にその影響が強く出ています。メソアメリカにもとても興味がわきました。
後半の主な舞台となる川崎の地名もよく知ったところが多く
時間的にも地理的にも内容も広がりのある話なのですが
自分とも実に近いところでつながっているような、遠い世界の話ではないと感じました。
とても考えさせられる、そして最後はほっとしました。
私は川崎が舞台ということで関心を持ちましたが、読めばどんな人でも
内容のさまざまな面から何か関心をもてるのではないかと思いました。
夏の読書にお勧めです！

本日もお読み頂きましてありがとうございました。