ＰＣＲ法とは、先ず初めに分子生物学のオサライから。

細胞には核があり、細胞が分裂する時に染色すると核の中で染色体が判る。

その染色体を極ミクロに見れば、ＤＡＮが2重の螺旋構造をとり、

ＤＮＡが巻き付き、折り畳められている構造となっている。

また遺伝子は設計図で、ＤＮＡの素である4種類の塩基配列で決められている。

　そこで、コロナで良く聞くようになったＰＣＲ法だが、

コロナウイルスはＲＮＡ（一本鎖）なので、一度ＤＮＡ（二本鎖）に変換させる。

変換されたＤＮＡに温度を上げて解き（一本鎖を2本に）、

プライマー（人工的に作られた20塩基ほどの鎖）を挿入する事で、

鋳型の遺伝子（元の一本鎖2本其々に）に相補的に配列させる。

次いで温度を下降させると2重螺旋構造に戻るが、

元の一本鎖ＤＮＡ＋プライマーで都合2本出来る（これで2倍）。

これを繰り返すことで、元のコロナウイルスのＤＮＡが短時間で増幅できる。

また増幅過程で蛍光色素を付加する技術もあって、

少ない情報（遺伝子＝設計図）では判らなかった事が、

増幅という遺伝子を増やす技術により判る様になる訳だ。

　この短時間で検査出来るＰＣＲ法であるが完全ではない。

一度陰性と判断されてもタイムラグがあり、陽性患者であったと報告事例がある。

By分析S　2/12

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前回、リゾチームの事に少し触れたが今回は、人体の基本的防御能を整理したい。

先ずウイルスと接触しない為に呼吸器官に対してはマスクを、その他では衣類で防御している。

また裸の人体として考えれば、前者では鼻毛や粘膜が、
後者では皮膚（表皮）が真っ先に接触する事になる。

ここで鼻毛は巧みにできたフィルターであると思う。それは乾いた外気に対し、
湿った呼気により湿らせた状態で異物を捕え易くしている。

大掃除でもすればマスクを掻い潜った細かい塵をも、器官に届く前に防御していることを鼻掃除するとよく判る（私は鼻毛推進論者である）。

それでも器官に届いたウイルスには、今度は粘液が絡め捕り繊毛の動きで痰となって排出する。

またこの粘液中にはリゾチームが含まれ、
溶菌（菌を溶かす）や抗ウイルスの防御の最前線で働いている。

然し敵（ウイルス等）も巧みで、粘液やリゾチームをかいくぐった者共は、
細胞に取り付いて侵入を図る。

そして細胞に侵入したウイルスは自己保存の複製に入るが、
無意識化で人体は罹患した細胞と戦うことになる（自然免疫や獲得免疫）。

自然免疫とは人体が元々持っていた機能で、
白血球のマクロファージ等が貪食（どんしょく＝異物を貪欲に食する）する。

また獲得免疫も白血球の一部がＴ細胞で記憶され、Ｂ細胞に伝令がくだりと抗体を産出する。

これら免疫は、そもそも人体にマクロファージの貪食能や、
記憶からの抗体産出まで高度な防御態勢が整っている。

嗚呼、素晴らしき人体の防御能かな。
然し、侮るな！新型コロナウイルスは確実に人体を利用している。By分析S　1/22

前回はウイルスの戦略（増殖法）に付いて述べたが、何故新型コロナは脅威なのかを考えてみたい。

個々のウイルスは基本的に感染する生物、並びに感染する部位（組織）が決まっているという。

これはウイルスの外側には鍵があり、対する部位にはその鍵に合った鍵穴があるからという説が判り易い。

そこで新型コロナがネコ科動物には感受性が高いという話もあるが、比較的に軽度の呼吸器障害で済むという。

また他の動物に付いては、余り議論されていないところをみると、罹り辛いか若しくは事例が少ないのであろう。

（2021/1/13追加記事：類人猿の初感染が確認。動物園のゴリラが罹患の報道）

部位に付いてだが、人体では新型コロナが皮膚に付いた位で、その皮膚が感染することななく、弱い部位、例えば呼吸器官の入り口の口腔内粘液に、鼻腔内でも最初に接触するのは鼻粘膜となるだろう。

そして粘膜のリゾチームを掻い潜って細胞の鍵穴に潜り込むと感染となる。

また新型コロナの特徴として現れる症状で前者では味覚障害が、後者だと嗅覚障害を現していて、

コロナに罹患して発熱等の風邪症状が出る前に、突然に味覚や嗅覚がいつもとは違ったらコロナを疑った方が良いとされている。

付け加えて述べればこの先コロナに打ち勝ったとしても、何処まで感覚器官が回復するか（後遺症となるか）は予後の事例が少ないので不安である。

そして最も厄介で生死に関わるのが、呼吸器官の深部にある肺胞に達した時で肺炎を起こし死に直結する場合である。

その肺胞では免疫細胞が活発に働いてコロナを封じようとするが、過度に免疫が働くことで肺胞に水分が溜まり呼吸困難になるという。

ここに至らずとも昔からあるステロイド（外用薬等に用いられるホルモン剤＝デキサメタゾン等）を投与すると、

完治する人もいるというから、何の薬が有効となるか試してみなければ判らない。

辛い思いをするのは誰もイヤなので、より的確な（副作用や後遺症のない）ワクチンや薬を早く望む。

（2021/1/15追加記事：後遺症に対しての専門外来を聖マリアンナ医科大学病院に開設の報道）　
By分析S　1/15

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